「リフォーム屋」から脱却!大建建設が不動産仲介で収益の柱を確立した軌跡

株式会社 大建建設

新潟県

Webサイト: https://www.daiken-estate.com/

事業内容: 新築

従業員数: 40名名

常務取締役 石川 和幸様

石川 和幸様

はじめに

地域に根ざした事業展開で知られる株式会社大建建設は、公共工事から住宅リフォーム、そして新築・不動産へと、時代の変化と共にその事業の幅を広げてきました。
特に不動産事業の立ち上げは、新たな挑戦の連続だったと言います。

今回は、不動産事業立ち上げの中心を担った常務取締役の石川氏にインタビューを実施しました!

事業多角化の背景から、不動産事業立ち上げ時の苦労、そして今後の展望まで、その経験と戦略を詳しく伺いました。

御社の事業について教えてください。

元々は公共工事を専門にしていましたが、公共工事の先細りを見越して、会長が住宅リフォーム事業を立ち上げました。リフォーム専業で約10年続け、その後、新築事業と不動産事業をほぼ同時に開始しました。現在は公共工事、リフォーム、新築、不動産の4本柱で事業を展開しています。

不動産事業を始める前の課題は何だったのでしょうか?

リフォーム事業は順調でしたが、お客様からは「リフォーム屋さん」という見られ方が強く、多様なニーズに応えきれていないと感じていて新築事業を始めたのですが、その際に土地の確保が大きな課題でした。

弊社は規格住宅に加盟していたため、土地情報がないと新築の契約が進まない状況でした。不動産事業を開始することで、この土地の課題を解決できると考えました。

立ち上げ当初の人員体制を教えてください。

当初は、現在の新築部門責任者と私、そして一級建築士の女性の3名体制で営業を始めました。半分は新築の企画住宅営業と兼任する形でした。

不動産事業を立ち上げた後、1年目はどのような課題に直面しましたか?

当時、新潟では物件情報を会員に公開する文化が少なく、立ち上げ当初は苦労しました。
宅建協会からクレームが来ることもあり、地域の業者さんとの関係構築も時間がかかりましたが、お客様のためにやっているという信念で乗り越えました。
中には快く対応してもらえない場合もあり、全てを担当者に任せるとパンクしかねないので、そういう時には責任者が対応する体制があると良いと思います。

立ち上げ2年目に直面した課題は何でしたか?

事業開始当初は人員不足が課題でした。兼務体制から、どうやって専任体制へ移行していくかというところ、あとは求人面で苦労しました。

人員を増やそうとリフォーム部門からコンバートした営業が定着せず、その後採用した2名も退職するなど、不動産仲介営業の育成に難しさを感じました。

軌道に乗ってきたのは3年目頃だったのでしょうか?

はい、3年程かかったと思います。
現在のマネージャーが入社してくれたことがきっかけで、専任で貢献してくれるようになり、一生懸命に事業の基盤を築いてくれました。

不動産の営業担当者の育成はどうでしたか?

全くの営業未経験者からの育成は難しいと感じました。
元建築士に営業を任せたこともありましたが、やはり向き不向きがあると思うので、何かしらの営業経験がある人であれば、大丈夫だと思います。

当初はロープレを頻繁に行っていましたが、きちんとスキルアップの時間は確保していく必要があると感じています。

新築、リフォーム部門との連携はどうでしたか?

現在も他部署との連携は課題です。
当初の目論見としては、中古+リフォームや土地+新築での売上向上を目指していましたが、なかなか進んでいないのが現状です。そのため、現在は各部門が独立した形で事業を行っています。

リフォームは不動産の早いスケジュール感に合わせられず、不動産は顧客優先で当然という考え方です。
また、新築は企画住宅から注文住宅へシフトしたことで単価が上がり、不動産からの顧客紹介のハードルが上がりました。

そのため、今後は他社建築紹介を増やすことと、リフォーム部門の人員増強に力を入れていく方針です。

近隣の不動産会社とのお付き合いで何か工夫されていることはありますか?

特別な工夫はありませんが、「諦めない」ことが重要ですね。
物件紹介を断られることもありましたが、宅建協会の会合や飲み会などに積極的に参加し、関係性を築く努力をしています。特に今のマネージャーは、ゴルフなどを通じて地域の不動産会社と良好な関係を築き、物件資料をもらえるようになるなど、大きく貢献してくれています。

不動産事業のメンバーを決定する際、どのような点を重視されましたか?

紹介で入社した今のマネージャーやアシスタントのように、紹介がきっかけで入社した人は活躍してくれる傾向があります。
また、まっさらな人を育てることがあまり得意ではないと感じていたので、不動産以外の部門で営業経験がある人を重視しました。
業界は未経験でも職種経験者であればすぐに馴染めるだろうと思ったからです。

当初の教育体制はどうでしたか?

教育は属人的な部分が多く、上司に委ねる形でした。今は私自身が不動産部門の教育を全て行っています。システム化しようとした時期もありましたが、中途採用者が多くスキルが異なるため、一人一人に合わせた対応をしています。特に経験の浅い社員には、マネージャーが1ヶ月半ほど面談に同席し、業務の進め方などを教えていました。
不動産営業は人間力に頼る部分が大きく、「この人から買いたい」と思わせる教育が難しいと感じています。

評価制度については、どのように行っていますか?

四半期に1回面談を行い、自己採点と上司評価、フィードバックを実施しています。評価の半分は店舗の数字で、残りは勤務態度が重視されます。

資金面について、事業立ち上げ時に投資された資金を回収できたと感じたのはいつごろでしたか?

4~5年ほどでしょうか。ここ3年ほどは安定的に不動産部門が独立して利益を出せるようになったと感じています。それ以前は新築部門と決算上、一緒にしていました。

正直、それまでは回収という意識はあまりなく、単年度で黒字になることを目指して粗利5000万円という目標を掲げていました。
現場としてはもっと早く成果を出したかったのですが、難しさもありましたね。

物件王を利用していて感じた効果やメリットはありますか?

地道に積み重ねた物件情報は大きな財産です。査定の際にも自信を持って金額を提示できます。
物件王に加盟して不動産事業を始めたことで、当初は新築需要に繋がり、今では「リフォームも新築も不動産も何でも相談できる」という見られ方に変わってきたと感じています。

物件王のサポートで印象に残っていることがあれば教えていただけますか?

当初にコンサルティングしていただいた考え方の部分が一番印象に残っています。その基本的な考え方を、新しい社員が入ってくるたびに私たちが教えています。

物件王は御社にとってどのような存在ですか?

不動産事業の基幹システムであり、なくてはならない存在です。物件王がなければ、普通の不動産屋さんになってしまいます。
弊社は「普通の不動産屋さんではない」という考え方を大切にしており、物件王システムを通して、お客様に迅速に物件情報を提供できることを重要視しています。

今後、物件王に対して期待することがあれば教えていただけますでしょうか?

加盟店同士のリアルな情報交換会をもっと開催してもらえると嬉しいです。
集客の課題や新しい取り組みなど、大勢ではなく小規模で交流できる場があれば、非常に有益だと考えています。

今後の事業展開について考えていることがあれば教えてください。

新しく相続の分野と戸建て賃貸の分野に着手し始めています。
社長の考えとして、現状維持は衰退に繋がるという認識があるので、常に新しいことにチャレンジしていく方針です。

これから不動産仲介に取り組む方へ一言お願いします!

不動産事業としてきちんと利益を出すという考え方が重要だと考えています。「何かのための不動産」という位置づけではなく、不動産業として自立できるよう、覚悟を持って取り組むといいのではないかなと思います。一緒に頑張りましょう!

↑代表の高橋社長(右)と、石川さん(左)

公共工事から始まった事業を多角化し、今や地域になくてはならない存在となった株式会社大建建設。
「何かのための不動産」ではなく、不動産事業として自立し、利益を出すことの重要性を語る石川常務の言葉は、これから不動産仲介に取り組む多くの企業にとって、貴重なヒントとなりました。
今後のさらなる事業展開にも注目が集まります!

担当者からのコメント

この度はインタビューにご協力いただき、ありがとうございました!

石川さんにインタビューをさせていただいた中で、リフォーム専業のイメージを打破し、不動産事業を一つの柱として確立されるまでの地域密着と挑戦の力を感じました。

立ち上げ当初は慣れない業務や沢山の苦労を乗り越え、不動産部門を黒字化させるまでの地道な努力、そして地域不動産会社との関係構築にかける粘り強さは、まさに地域に根ざした信頼を築いてこられた証だと思います。

実際に店舗に訪問させていただき、スタッフの皆様が温かく迎え入れてくださって、柔らかい雰囲気と皆様のお人柄が、お客様にも安心感をもたらすものだと感じました!

石川さんをはじめ、大建建設の皆様の努力あってこその成長だと強く感じております。
物件王としても、これからも現場の声に耳を傾け、より実践に寄り添った支援を続けてまいります。
大建建設様のさらなるご活躍を、心より応援しております!

カスタマーサクセス 森