新築8棟を1年で達成!「不動産仲介×建築」で集客・売上を最大化した建設会社の全貌

公開日:2025/08/08 田中建設株式会社

福井県

Webサイト: https://www.fukukuru-f.jp/

事業内容: 総合建設

従業員数: 120名

営業 木下様

木下様

福井県で一般住宅から施設建築、耐震工事まで幅広く手掛ける田中建設株式会社(福来不動産)。
不安定な集客に危機感を抱き、不動産仲介業に参入。
物件王との出会いを経て、いかにして立ち上げから僅か1年で、不動産からの新築受注8棟を実現したのか。
立ち上げ当初の困難から連携強化、成果につなげるまでの軌跡を、同社の木下様にお話を伺いました。

御社が不動産仲介業を始めようと考えたきっかけは何だったのでしょうか?また、物件王導入の決め手についても教えてください。

きっかけは、集客が不安定で先行きが見通せない状況に、強い危機感を抱いていたからです。紹介やたまたま来店されるお客様が多く、能動的な集客が少なかったんです。

その改善を考えていた時に、東京で開催された住宅会社向けの展示会で、物件王のお話を伺いました。私自身、以前に不動産を経験していたこともあり、ここから新築受注に繋がるという確信を持てたことが決め手となりました。

集客難が不動産仲介業によって解決できると思った具体的な点はどのようなところですか?

これは私の経験則に基づいています。以前、当社でも年に1〜2回ほど分譲事業を行っていた時期がありました。たまたま「売りたい田んぼがある」といった話があった際に、こちらで企画し始めたのですが、そこからの集客は比較的安定していたんです。この経験から、不動産事業を行えば新築事業へお客様を回せるという確信がありました。

ただ、それを体系的に行う具体的なノウハウは持ってなかったので、 そんな時に物件王の話を聞いて、「これだ!」と思い、導入を検討し始めました。
社内でも「集客に問題がある」という認識は共通していたため、比較的スムーズに承認されましたね。それだけ集客が会社にとって大きな課題だったのだと思います。

不動産仲介業の立ち上げ当初、特に大変だったこと、そして現在も大変だと感じていることはありますか?

一番は間違いなくデータの入力、特に物件収集でした。
今は少しずつ慣れてきてはいますが、スタッフが兼業で業務を行っているため、それが正直、一番大変ですね。

近隣の不動産業者さんとのお付き合いで工夫されていることはありますか?

工夫というよりも当たり前のことを徹底しているという感覚です。
例えば、以前は宅建協会の集まりなどには一切参加していませんでしたが、積極的に顔を出すようにしました。

また、お互いに情報提供を行うようになってからは、以前は紹介が難しいと感じていた業者さんからも、ご紹介いただけるケースが増えました。

地域に根差したビジネスを展開しているため、日頃から密なコミュニケーションを心がけるようにしています。

既存の建築部署との連携に悩まれる企業様も多いですが、御社はいかがでしたか?

連携は確かに大変なところがありましたね。建築部署、特に工務系の方々からすると、最初は正直、不動産部署が「何をやっているか分からない」という状況でした。不動産業務は事務作業が多いのですが、現場に出ている方々からすると、オフィスにいる時間が長く見えるため、誤解されてしまうこともあり、最初は少しギクシャクすることもありました。

既存の建築部署との連携はどのように改善されたのでしょうか?

取り組みとしては、まず「不動産業務は非常に大変なのだ」ということを言い続けました。
さらに、不動産部門に役員を直接上司として配置するという、思い切った策も実行しました。その役員が実際に土日も出勤し、電話対応なども率先して行ったんです。役員が自ら現場を経験することで、「想像以上に大変な仕事だ」という認識に変わり、そこから周囲の意識も大きく変化したように感じています。

この働きかけは、チームメンバーのモチベーション維持を考えてのことでした。スタッフが不動産の登録作業をしているにもかかわらず、その業務の大変さや重要性が十分に理解されていないような状況が続くと、やはり士気が下がってしまいます。

実は、以前に不動産の登録業務を担当してくれていたスタッフが、「これ以上、不動産業務に関わるのは難しい」という理由で退職してしまったことがありました。業務を抱える一方で、現場との連携がうまくいかない状況では、モチベーションを高く保つのが難しいと痛感させられました。

そこで私たちは、「もう一人、担当者をつけてほしい」と会社に強く要望したんです。

メンバーのやる気を引き出し、チームワークを高めるために、木下さんご自身が意識されたことはありますか?

建築部署とは全く別の場所に、改装して「不動産部署」として独立した空間を作り、そこにメンバー全員を集めました。その場所で常にポジティブな話をすることで、皆のモチベ―ションが上がっていったように思います。さらに、少しずつお客様対応を直接任せたり、私が同行してサポートしたりすることで、お客様の顔が見えるようになり、スタッフの意識も少しずつ変わっていったように感じます。

初めは不動産業務にあまり前向きでは無かったスタッフも、自分が新規登録をした物件にお客様が興味を持ち、来店して新築の受注に繋がったのを目の当たりにすると、「これは意外と面白いかもしれない」と感じるようになったんです。

苦労もありましたが、皆が成功体験を積んでいくことで、意識が高まったのだと思います。その努力の積み重ねが、今の不動産から建築への受注につながっていると実感しています。

不動産仲介業と建築業では、お客様へのアプローチの仕方やスピード感にギャップがあると思いますが、戸惑いはありませんでしたか?

正直、ギャップはあまりありませんでした。というのも、私がこの業界に入ったのは、そもそも不動産からなんです。

以前の会社では不動産をやりつつ、たまたま設計担当者が入社したことで住宅事業部を立ち上げる、という経緯でした。その頃から、不動産のお客様を新築へつなげる展開を行っていたので、初回面談からプランニング、2回目のプラン提示、そして契約までのスピードが非常に速かったんです。

現在もそのスピード感に近い部分があるため、あまり違和感なく業務を進められていますが、その分、設計部署にはかなりの負荷がかかっており、それが今の課題の一つです。

物件王を利用して、感じたメリットや効果はありましたか?また、サポート内容についても教えてください。

サポートは非常に手厚いと感じています。これまで、フランチャイズやコンサルティングサービスをいくつか経験してきましたが、ここまで手厚いサポートは他にはありませんでした。

フランチャイズではノウハウ資料を送って終わりというケースが多く、相談してもあまり具体的な回答が得られないことがあり、コンサルティングは相談には乗ってくれるものの、現実離れしていると感じることが多々ありました。

その点、物件王さんに相談すると、きちんと腑に落ちる回答が返ってくるので、非常に助かっています。当初から多くの質問をさせていただいていましたが、今もそのサポートには感謝しています。

物件王のツール自体も非常に使いやすいです。特に地図検索機能は、お客様に最初の面談で見せた時に、ピンが立っている物件の多さを見ると、他社へ行かずに戻ってきてくれることが多いんです。これは本当に素晴らしいと感じています。

今後、物件王に期待することはありますか?

今後もこのサポート体制が変わらず続いてほしいと強く願っています。体制が変わると相談しにくくなったり、やりづらさを感じることもあると思うので。

あと、先日参加させていただいたエリア会は非常に良かったです。帰ってからスタッフのモチベーションが格段に高まっていました。他の会社さんのお話を直接聞けるというのは、非常に学びが多く、ぜひまた開催してほしいです。毎回参加できるかは分かりませんが、本当に価値のある機会でした。

御社の今後の事業展開について、お考えがあれば教えてください。

当初からずっと考えていることですが、福来不動産を分社化し、独立採算の会社として分けたいという思いがあります。それを実現するためにはまだ売上が足りないので、その部分を今後も頑張っていきたいです。

最後に、これから不動産仲介業に取り組もうと考えている方々にメッセージをお願いします。

私自身、不動産は非常に面白い事業だと考えています。様々な人の人生に関わることができ、通常の住宅事業では解決できないような、よりディープな課題解決ができるのは、やはり不動産ならではの醍醐味だと思います。売上ももちろん重要ですが、地域への貢献という面でもダイレクトに貢献できるのが不動産です。そういった側面をぜひ楽しんでほしいですね。そんな思いで事業に取り組む人が増えれば、不動産に対する見方も変わっていくのではないかと思います。

どのような形で関わるかは様々ですが、不動産を抜きに建物を建てようとするのは、もはや困難な時代ではないでしょうか。そういった意味で、不動産を起点とし、その後に建築へと繋がる流れの方が、事業展開の上でもよりスムーズに進められると思います。

もし、建築をやっていて不動産事業を始めようか迷っている方がいたら、私は一言だけ言います。「絶対にやった方がいい」と。

担当者からのコメント

不動産業の立ち上げ当初は、物件入力のご苦労や既存部署との連携など、様々な課題に直面されたとのこと、改めてお伺いし、そのご尽力に感銘を受けました。役員様を巻き込み、独立した部署として環境を整備されたこと、そして何よりもポジティブな声かけや成功体験を積ませることで、スタッフの皆様のモチベーションを高められたご経験は、これから不動産仲介業を始められる企業様にとって、大変参考になるのではないでしょうか。

物件王のサポートや機能をご評価いただけたこと、大変嬉しく思います。特に、エリア会にご参加いただいたことで、スタッフの皆様のモチベーションが向上したというお話は、今後の開催の励みになります。

「不動産は非常に面白い事業であり、地域貢献にも繋がる」という木下様のメッセージは、まさに私たちの想いと重なります。今後も貴社の事業がさらに発展していくよう、物件王一同、全力でサポートさせていただきます。引き続き、よろしくお願いいたします!

カスタマーサクセス 梅本