「今回は何社かの相見積もりになってるから。受注したいなら、できるだけ見積もりを安く出しといてね」
元請け会社の担当者や、問い合わせてくれたお客様からそう言われるたびに、単なる「数字の叩き合い」に巻き込まれて自社の利益や職人の手間を削らざるを得ない現状に、強い危機感やジレンマを感じていらっしゃる経営者様は多いのではないでしょうか。
元請けの顔色を伺う下請け経営から抜け出すための有効なアプローチとして、近年多くの工務店・工事店が注目しているのが「買取再販」です。
ただ、まだ実績がない状態でスタートするには、まとまった資金や在庫のリスク、相応のノウハウが必要になります。
そこで、まずは初期リスクを低く抑え、より手軽に始められるアプローチとしておすすめなのが、自社で「不動産仲介」を内製化することです。
お客様と「物件探しの段階」で出会う仕組みを作るだけで、他社と比較されることすらなくなり、相見積もりを100%発生させずに元請け受注を獲得できるようになります。
本記事では、なぜ下請け・専門工事店が不動産仲介を始めることで価格競争から完全脱却できるのか、その具体的な3つの理由を、現場の課題感に即して客観的に紐解いていきます。
理由①:「物件を探している段階」で顧客と出会うため、建築の競合他社が入り込む隙がそもそもないから
経営者として最も消耗する「相見積もり」は、なぜ起きてしまうのでしょうか。
理由は非常にシンプルです。
それは、お客様が工事やリフォームを検討するタイミングよりも、はるか前の段階で、あなたの会社がお客様と出会えていないからです。
家を建てたい、あるいは中古住宅を買って自分好みにリフォームしたいと考えているお客様は、住宅ビジネスの商流において、まず最初に「物件(土地や中古戸建て)」を探します。つまり、お客様が工務店やリフォーム会社を探し始めるより前に、必ず地域の「不動産会社」へ足を運んでいるのです。
これが、商流における「川上(かわかみ)」と「川下(かわしも)」の関係です。
これまでのように「川下」である建築のポジションだけで待っていると、お客様はすでに他社で土地や中古物件を決めた後、あるいは別のリフォーム会社の見積もりを持った状態で、あなたの会社にやってきます。
その段階では、お客様の手元にいくつかの選択肢が並んでいるため、必然的に過酷な価格競争の土俵に立たされることになります。
しかし、自社が不動産仲介業を内製化し、お客様と「最上流の接点」で出会うことができたら、市場のルールは一変します。
お客様がポータルサイトや自社サイトを見て「この中古物件(土地)が気になるな」と問い合わせてきたその瞬間に、建築のプロであるあなたが最初の窓口として立ちます。
物件の案内と同時に、「この物件なら、ご希望の間取りに変えられますよ」「これくらいの予算で、水回りを最新のものに一新できますよ」と、建築と不動産を一本化させた「ワンストップ提案」をその場で提示するのです。
お客様にとっては、物件にかかる費用とリフォーム工事の総額がその場で明快になり、住宅ローンの手続きも窓口一つで完結するという圧倒的なメリットがあります。
ワンストップの最大の強み: お客様が「この物件を買おう」と決断したときには、すでにあなたの会社がリフォーム工事のパートナーとして信頼されているため、他社の相見積もりプランと比較される隙がそもそも存在しない。
他社が競合として入り込む前に、自社が主導権を握って関係性を構築できる。
これこそが、不動産仲介を挟むことで相見積もりから完全脱却できる第一の理由です。
理由②:「建築のプロ」の視点で物件選びをサポートするため、顧客からの信頼度が桁違いに高くなるから
「うちはずっと工事一本でやってきたから、大手の不動産会社と物件情報の量で競い合っても勝てないのではないか?」と不安に思う必要はありません。
なぜなら、中古住宅を購入してリフォームしたいお客様が最も求めているのは、不動産の記号的な情報ではなく、「この建物は、本当に安心して直して住めるのか?」という建築の専門知識だからです。
一般的な不動産会社の営業マンは、家を「売るプロ」ではあっても、家を「建てる・直すプロ」ではありません。
そのため、中古物件を案内する際、お客様から「この壁は抜けますか?」「耐震性や断熱性は大丈夫ですか?」「リフォーム費用はいくらかかりますか?」と聞かれても、その場で正確な回答をすることはできません。
「持ち帰って確認します」と引き延ばしているうちに、お客様の購入熱は冷めていってしまいます。
一方で、下請けや専門工事店として現場の修羅場をいくつもくぐり抜けてきた皆様は、建物の構造や劣化状態を見極める目を持っています。
物件の案内に同行した際、プロの視点で床下の状態や雨漏りのリスク、構造の強さをチェックし、「この物件は築年数が経っていますが、土台がしっかりしているので安心ですよ」「この壁は抜けないので、こちらの間取りなら理想を叶えられます」と、その場で具体的にアドバイスできる強みがあります。
お客様の目から見れば、理想の物件との出会いをサポートしてくれる不動産屋さんと、これからの暮らしの安全性を技術的な視点で見守ってくれるあなたとでは、それぞれに異なる安心感と信頼を寄せるはずです。
この「建築のプロが物件を見てくれる」という圧倒的な安心感の前では、どれだけ知名度のある大手不動産屋であっても、また競合のリフォーム会社であっても太刀打ちできません。
技術の裏付けがあるからこそ、お客様は価格の安さではなく、「あなたに任せたい」という強い信頼で選んでくれるようになるのです。
【導入事例】内装業一本からの転換。不動産を始めたことで相見積もりなしの元請けリフォームを次々と獲得
ここで、実際に工事一本のビジネスモデルから、不動産仲介を組み合わせることで大きな成果を上げている加盟店様の事例をご紹介します。
石川県で活躍されている「株式会社すむくる不動産」の代表取締役・橋本 典之様は、もともと内装業一本で事業を展開されていました。
自社で宅建の免許を取得したものの、それをそのままにしておくのはもったいないと感じていたタイミングで、物件王の話を聴く機会があり、「興味を持ってやってみよう」と加盟を決意されたそうです。
不動産業に関しては完全に異業種からの参入であり、知識も経験もゼロからのスタートでしたが、物件王のシステムに加え、チャットワークによるバックアップや月1回の不動産実務サポート、リモートでの新人研修などの手厚い支援を活用することで、着実に事業を立ち上げられました。
内装業で培ってきた現場の知見を活かしながら不動産仲介を始めたことで、リフォームの受注が次々と取れるようになり、現在は不動産事業部を別法人として独立させるまでに成長されています。
橋本様は、「これまでの固定概念がなくなり、システムも使いやすいです。ぜひ参加されてみてはどうかと思います」と、未経験から挑戦することの意義を語られています。
▶株式会社すむくる不動産様のインタビュー記事の全文はこちらから!
理由③:工事原価の叩き合いとは無縁の「別のポケットの粗利」が入り、経営の選択肢が劇的に広がるから
下請け経営において最も苦しいのは、工事原価のインフレが起きているにもかかわらず、請負金額をなかなか値上げできない点にあります。
原価が上がった分だけ自社の利益(粗利)が削られ、経営の足元を脅かしていく悪循環は、建築単体のビジネスをしている以上、避けて通るのが難しい現実です。
しかし、不動産仲介という事業を自社に組み込むと、工事の請負利益とは「まったく別のポケット」から、非常に利益率の高い純利益がもたらされるようになります。
それが、物件売買の際に発生する「仲介手数料」です。
例えば、お客様が1,500万円の中古住宅を購入する際、その仲介を自社で行えば、それだけで片手でも約56万円(法定上限:3%+6万円+消費税)の仲介手数料が、リフォーム工事の利益とは「別枠」で会社のダイレクトな粗利益として入ってきます。
もし、売り主側と買い主側の双方を自社が仲介する「両手仲介」ができれば、その金額は2倍の約112万円になります。
この不動産仲介による利益の最大の特徴は、自社で物件を買い取るわけではないため、「仕入れの資金が不要で、在庫リスクが一切ない」という点です。
つまり、初期の資金的なリスクを極めて低く抑えながら、工事原価の叩き合いとは全く無縁の、クリーンな高粗利を会社に残すことができるのです。
建築単体で100万円の純利益を出そうとすれば、原価管理を徹底し、工期を圧縮し、多大なる努力を重ねなければなりません。
しかし、不動産仲介を入り口にするだけで、仕入れリスクのない純利益が別枠でしっかりと確保できます。
さらに、この不動産仲介を自社に組み込む最大のメリットは、単に手数料収入が増えることだけではありません。
真の価値は、「物件探しの段階でお客様をグリップし、本業の受注へ確実に繋げられる点」にあります。
たとえ目の前の仲介手数料をもらわなかったとしても、物件探しの段階でお客様と繋がってしまえば、本業である建築やリフォームを他社に比較されることなく「100%元請け」で受注できます。商流の最上流でお客様をホールドすること自体が、相見積もりを未然に防ぐ最大の武器になるのです。
この「本業を確実に元請け受注できる安心感」があれば、無理な値引き交渉をしてくる元請けの仕事を断る余裕も生まれます。
こうして自社主導の受注基盤を手堅く固めた先に、将来的にさらなる収益を目指して「買取再販」へ安全にステップアップしていく道も開かれます。
まとめ:技術がある会社こそ、下請けのポジションで消耗すべきではない
優れた施工技術を持つ会社こそ、価格競争で消耗すべきではありません。
自社を信頼してくれるスタッフや職人の生活、そして会社の未来を守るからこそ、お客様に心から喜ばれる質の高いサービスを提供し続けることができるのです。
商流の川上に立ち、相見積もりをなくして本業を安定させる。
この「不動産仲介×建築」のワンストップな形こそが、下請けから脱却して正当な利益を得るために、まさに今始めるべきことです。
不動産仲介業の始め方
私たち「物件王」では、建築会社様・工務店様が知識ゼロからでもスムーズに不動産仲介業を内製化し、本業の受注を安定させるための「専用システム」と「実務サポート」をワンストップでご提供しています。
現在は全国約270社様に加盟いただき、広くご支援させていただいております。
「自社ならどう取り入れられるのか」「具体的にどんな仕組みなのか」を、まずは手軽に確認できるサービス紹介資料をご用意しております。
ご興味のある経営者様は、以下よりお気軽に資料をご請求ください。
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