
品川にて、「勝ち残る!性能向上リノベ戦略 〜法改正・補助金・最新技術・仕入れを一気通貫で学ぶ〜」セミナーを開催しました!
YKK AP株式会社、日本ボレイト株式会社、日本住環境株式会社、株式会社物件王の共催で行われた本セミナーは、リノベーション事業に携わる方々を対象に、事業成功のための具体的な戦略を徹底解説。法改正、補助金活用、最新技術、そして仕入れまで、多岐にわたるテーマを一日で集中的に学べる貴重な機会となりました。
セミナーはYKK AP体感ショールーム内のセミナールームで開催され、終了後には、断熱等級2/4/5/6/7の異なる暖房室と非暖房室での室温や結露状況を実際に体感していただきました。
オンラインでは得難いリアル開催ならではの内容に、参加された皆様からは大変好評をいただき、セミナーは大盛況のうちに幕を閉じました。
各セミナーで語られた内容の一部をご紹介します!
目次
~2025年4月からの建築基準法改正~ 確認申請のメリットと、確認申請不要な断熱・耐震リノベの方法は?/YKK AP(株)
YKK APの大浦氏からは、来年4月に施行される法改正の具体的な内容と、それがリノベーションにどう関わってくるかが解説されました。
- ・大規模リフォームの確認申請義務化(建築士の設計・管理も必須)と、違反時の罰則が強化される。
- ・既存建物の事前調査が不可欠で、適切な調査で緩和措置も利用可能。
- ・リノベーションでも新築同様に断熱等級6以上の高性能化を目指し、国の補助金制度(最大400万円)を積極的に活用していくべき。
- ・既存住宅の耐震診断は必須で、耐震性能の向上は住宅ローンの優遇など、顧客にも大きなメリットがある。
性能向上リノベに最適!最新技術で実現する腐朽・シロアリ対策/日本ボレイト(株)
日本ボレイトの浅葉氏からは、木造戸建てリノベーションでありがちな腐食やシロアリ被害への対策について講演いただきました。
- ・高気密・高断熱住宅が増え、築浅物件でのシロアリ被害が多発しており、断熱・耐震に加え「耐久性」がリノベーションの重要課題。
- ・従来の薬剤と異なり、ホウ酸は不揮発性で効果が長期持続し、安全性の高いシロアリ・防腐対策として注目されている。
- ・施工前には徹底した調査を行い、シロアリがいれば専門業者による駆除が必須。
- ・予防策としては、基礎からのシロアリ侵入を防ぐ一次防蟻と、木部へのホウ酸処理による二次防蟻が効果的。
- ・特に在来浴室のユニットバス化は腐朽・シロアリ対策の最優先事項であり、基礎断熱材の施工方法など、注意すべき点も紹介。
性能向上リノベのマスト工事!隙間防止と現状を実例で解説/日本住環境(株)
釣本氏からは、YouTubeチャンネル「家の作品」で一般からの相談が多数寄せられる現状に触れ、断熱等級6や7といった高レベルの住宅でも「隙間」があると、結局「寒い・暑い」という不満に繋がる実例が紹介されました。
- ・隙間の問題: 高断熱住宅でも、コンセントや配管周りの目に見えない隙間から冷気や熱気が侵入し、居住性を損ねることが多く、特に床下からの隙間風が大きな影響を与える。
- ・「床だけでも高気密化」: 予算が限られるリノベーションでは、最低限でも床下の高気密化を徹底することで、住環境が大きく改善される。
- ・施工品質の確保: 設計上の性能と実際の施工品質に乖離がないよう、「気密と防露(結露防止)」を両立させ、確実な施工を行うことが建物全体の劣化対策にも繋がる。
- ・目標C値: 国交省の資料でも新築のC値0.7が推奨される中、リノベーションでも可能な限りこの高気密基準を目指すことが今後の課題。
また、会場には横浜市役所の職員の方にも参加をいただき、横浜市で活用できる補助金についてのご案内もありました。
横浜市補助金制度の案内
- ・対象と要件: 横浜市では、既存住宅の断熱等級6以上へのフルリノベーションと再エネ設備の導入に対し、補助金制度が設けられている。
- ・補助額: 子育て世帯には150万円、その他世帯には120万円が補助され、国の「先進的窓リノベ事業」などと併用すると、最大481万円の高額補助も可能。
中古住宅+性能向上リノベを叶える『建築受注につながる不動産仲介業』/(株)物件王
弊社からは、建築会社が不動産仲介業を併設することの戦略的メリットを、加盟店様の成功事例を交えて力説しました。
- ・集客力と収益性向上: 不動産仲介業を併設することで、建築業界の集客コスト高騰に対応し、費用対効果の高い顧客獲得が可能。仲介手数料は粗利100%であり、経営の安定に貢献できる。
- ・「川上」顧客との接点: 家探しを始めたばかりの顧客(「川上」顧客)はまず不動産会社を訪れるため、建築会社が不動産仲介を行うことで、競合のいない段階で建築のプロとしてコンサルティング営業ができ、受注率が飛躍的に向上する。
- ・多様な収益機会: 顧客が中古リノベーション、土地購入と新築、他社建売住宅の仲介など、どの選択肢を選んでも自社に利益(工事請負や仲介手数料)が生まれるため、安定した収益確保に繋がる。
- ・顧客満足度の追求: 仲介手数料の有無にとらわれず、顧客の選択肢を最大化し、最適な提案をすることで、顧客満足度を高め、長期的な関係を築くことができる。

今回のセミナーでは、法改正という大きな流れを捉えつつ、高性能かつ高耐久なリノベーションが今後さらに求められていくという点について、具体的に解説されました!
同時に、建築と不動産仲介業の連携が、事業を成長させ、お客様の満足度を高める上で欠かせない戦略であることも、より明確になったことと存じます。
この変化の時代を乗り越えるためのヒントが、このセミナーを通して一つでもお届けできれば幸いです。
これからも、住宅業界に携わる皆様にとってお役立ていただけるような情報を、積極的に発信し続けてまいりますので、どうぞご期待ください!