価格高騰と人口減の逆風下で生き残る!工務店が今すぐ着手すべき「川上戦略」とは?

公開日:2025/12/04
「建築業界はシュリンク(縮小)しているのか?」— この問いは、多くの工務店経営者様が抱える現実的な危機感でしょう。

人口減少、資材コストの増大、競合の激化など、業界を取り巻く逆風は強まるばかりです。しかし、市場が縮小する中でも、生き残りを図り、さらに成長を続けるための戦略は存在します。

本記事では、建築業界がシュリンクしている理由を整理した上で、工務店が新たなキャッシュポイントを築くために着目すべき3つの事業トレンドと、その実現に不可欠な「川上戦略」について解説します。


1. 建築業界がシュリンクしている背景にある「二重の重圧」


建築業界が縮小している主な理由として、以下の要因が複合的に絡み合っています。

① 顧客の減少と多様化
・国内人口の減少:家を建てる層が減少しています。
・住居に対する考え方の多様化: 賃貸でも良いと考える層が増加し、ユーザーの選択肢が増えています。
・「失われた30年」の不況: 不況が続くなかで「家を建てる」という大きな決断をする人が減少しています。

② 利益を圧迫するコストと競争
・資材コストの増大: 利益が減少する要因となっています。
・競合他社の増加: ライバルが増えることで業界の競争が激化し、利益を上げ続けるのが難しくなっています。

③ 高まり続ける「家を建てるハードル」
さらに、物価高騰に伴い住宅価格は上がり続けているにもかかわらず、人々の平均年収は7年間、ほとんど横ばいで推移しています。対して、住宅価格は5年間で400万円近く上昇しています。この状況は、家を建てることのハードルが上がり続けていることを示しています。

これらの逆風により、廃業や撤退、縮小を余儀なくされる工務店も少なくありません。

 

2. 生き残る鍵は「川上のお客様」との出会い


人口減少や資材高騰という厳しい実情の中、工務店が生き残る術、それは「川上のお客様と出会うこと」だと考えます。

「川上のお客様」とは、「おうち探しを始めたばかりの方」です。

建築の意思が固まる前の、検討初期段階にあるお客様と接点を持つことで、注文住宅以外の幅広い選択肢を提案できるようになります。これは、事業のポートフォリオを作成し、一つの事業に依存しない収益構造を築く上で非常に重要です。

これらの新しいニーズを確実にキャッチするために、不動産窓口の設置は必須となります。

 

3. 今、工務店が着目すべき3つの事業トレンド


川上のお客様のニーズに応え、事業を横展開(ポートフォリオの作成)することで、キャッシュポイントの拡大に繋がります。住宅まわりのニーズとして、特に今後拡大が期待できる3つの事業トレンドをご紹介します。

① 相続・贈与:本格化する高齢化社会の住宅需要
高齢化が進むことで、相続や贈与を起因とした住宅需要が増加しています。

「相続を機に建て替えたい」、「贈与目的でリノベーションしたい」といったケースが代表的です。

特に団塊の世代が75歳以上となる「2025年問題」が目前に迫っており、相続の本格化が予想されます。

② 民泊・インバウンド:増加する「民泊転用住宅」のニーズ
コロナ禍以降、インバウンド需要が拡大しており、それに伴い「民泊」を提供する事業者が増えています。

民泊関連の事業者が増えていることは、「民泊転用住宅」のニーズが増えていることを意味します。

今後も需要拡大が続く可能性が高く、工務店が参入する余地は十分にあります。

③ 地方活性化・地方移住:地域における住宅ニーズの増加
都市部への人口集中と地方の過疎化が深刻化する中、地方活性化や移住者増加を目指す自治体が増えています。

移住希望者が増えれば、それに比例して「地方における住宅ニーズ」も増加します。

注文住宅だけでなく、空き家の大規模リノベーションや、地域交流拠点づくりなど、工務店が参画できる余地は多くあります。

 

4. まず、何から始めるべきか?— 不動産窓口を皮切りとした横展開


お客様によって「相続・贈与」「民泊物件」「地方移住」など、住宅ニーズはさまざまです。これらの多様なニーズを拾うためには、工務店として「注文住宅以外」の選択肢を用意する必要があります。

たとえば、リフォームやリノベーション、土地の紹介、住宅ローンの伴走支援などです。

そこで提唱したいのが、「不動産窓口」を皮切りとした事業の横展開です。

自社に不動産窓口を設置することで、最も川上にあるお客様と接点をもてるようになります。

仲介手数料という魅力的なキャッシュポイント
不動産を窓口にすると、おのずと仲介手数料が発生します。

仲介手数料は、100%粗利であり、かつキャッシュフローが早いという特性があります。

これは、建築受注というコア事業以外の新たなキャッシュポイントとなり、経営の安定化に大きく貢献します。

川上のお客様と出会い、多様なニーズに応える事業を横展開することが、結果的に利益拡大へと繋がる道筋です。

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建築業界は本当にシュリンクしているのか?縮小していく建築市場で生き残っていくために

 

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